ベッドルームとアンティークの素敵な関係

暖冬だというけれど、2月の早朝はやっぱり寒くて暗い。
朝の5時になると、ネコが私の布団に潜り込んでくる。
ネコを抱っこしながら「起きたくない~」と少しまどろむのだけど、やがて温かい布団を抜け出してヨロヨロと台所へ向かうのが5時半ごろ。

私の住む古い文化住宅は、冷たい隙間風が入り込んでしまうから、窓も空気も凍り付いてしまう。

震えながら石油ストーブのツマミを回し「ボッボッボッ」と音をたてて火が回るストーブに、
水のたっぷり入った重い鉄瓶を載せて
私は大急ぎで家族のお弁当と朝食を作りはじめるのです。

部屋がほどよく温まってきたところで、家族を起こして朝食を食べて
私が朝食の後片付けを始めると、夫が寝室の布団をたたんで押し入れに片付ける。(我が家は畳の部屋に布団を敷いて寝ているんですよ)

布団から追い出されたネコが、私の足にすり寄ってご飯をねだるころ
家族は慌てて身支度をすませ、それぞれの場所へと出かけていきます。

そのあと、私は寝室を手早く掃除するのです。
こうやって、布団を上げた寝室は、ただの畳の部屋に戻ります。

小さなころからフローリングにベッドを置く生活をしていたから、
本当のことを言うと、こんな昭和な暮らし方は馴染まなかったのだけど
今ではこの慎ましい生活を、私は結構気に入っている。

布団を片付けた部屋には、古ぼけた小さな本棚と小さなランプ、あとは目覚まし時計とゴミ箱とティッシュボックス(私は花粉症)があるだけ。

子どもが小さかったころは、眠る前にいつも絵本を読んでいたから、本棚には絵本がたくさん並んでいます。
スリリングな冒険がいっぱい詰まった絵本を広げる時間は、子どもと過ごす大切な時間でもありました。

そんな優しい日々もあっという間に過ぎ、今では夢のよう。
しかし、あの頃と変わらず絵本は古ぼけた本棚に入ったまま。温もりの時間が確かにそこにあったことを私に教えてくれるのです。

こんな暮らしをしてきたせいか、
家具を寝室に置くなら「小さな本棚や、背の低いチェスト」が便利だと、常々思っている。


画像:チェスト

子どもが夜中に熱を出したときには、棚の上にお盆を置いて、コップと水の入ったポット、そして体温計を載せていたし
ときには布団で吐いちゃうこともあったから
洗い立ての寝具カバーと清潔な着替えなども棚に収納して、いざとなったら深夜でもササっと簡単に取り出せて重宝したのです。

最近はアンティークのブランケットボックスも素敵だなって思ってる。


画像:ブランケットボックス

その名の通り大きなボックス状になっているブランケットボックスなら、タオルケットや毛布など季節の寝具も入っちゃうし、小さな布団乾燥機を収納するのにも便利なのです。

そしてブランケットボックスを気に入っている理由がもう1つ。
それは「懐かしい」から。

イギリスアンティークのブランケットボックスを初めて見たとき、日本の古い民具「長持」(ながもち:衣類や寝具を入れる大きな木箱)にそっくりだと思いました。

昔々、私は地元の神社で結婚式を挙げました。
その神社に向かうとき、花嫁行列といって、白無垢の花嫁(私)の後ろを氏子の男衆が大きな「長持」を担ぎながら長持唄を歌って賑やかに歩き、その後ろで親族と介添え人が道行く人に紅白饅頭を配るんです。

空に雪が舞う冷たい冬の日に、長持を持つ男衆の大将は「神様からのお祝いの紙吹雪だ!めでたい!」と言って万歳してくださった。

イギリスからやってきた古いブランケットボックスを見るたびに、私はその日のことを不思議と思い出してしまうのです。


画像:シスルバックチェアテーブルランプ

ひとつのアンティークから、心の奥にしまい込んだ記憶の糸がほろほろとほどけて、私の心は今と過去を行ったり来たり。

幸せと懐かしさで心を満たしてくれるアンティークを寝室に置いたら、悔しくて何もかもを放り出したくなった夜も、癒されながら眠りにつけるような気がします。

人生には、夢を見る場所も必要だと思う

寝室はリビングなどと比べてプライベートな空間だから、人の目を気にせずに大好きな世界をとことん作りこめる場所だと思う。

今のスッキリした畳の部屋も好きだけど
山荘、北欧のサマーハウス、古き良きロンドンの部屋、またはお城のお姫様の美しいお部屋をイメージしたベッドルーム、なんていうのも素敵ですね。

こどもが独立したら、やっぱり部屋を劇的に改造してみようかな。
そんなことを考えながらビクトリアンクラフトの店内を歩くのが私は好きです。


画像左:ドレッシングテーブル 右下:ベッドルームチェア ・ ホールチェア

華やかで贅沢なアンティークは、眺めてるだけで豊かな気分になる。

ベッドルームに置かれていたデコラティブなドレッシングテーブル、エレガントなソファやチェア、美しい照明。
朝目覚めたときに、こんな美しい家具がそばにあったら、素敵だと思いませんか?

重厚なワードローブを開けて、着る服を選ぶときも、
ドレッシングテーブルの鏡をのぞき込んでアクセサリーをつけるときも、
まるで映画の世界に入り込んだみたい。

こんな1日の始まりかたもオシャレだなぁって、平凡な私は憧れてしまうのです。


画像左:ドレッシングテーブルホールローブ 右:ドイリー各種 ・ キャンドルスタンド

眠る場所は夢見る場所。
長い人生だもの
大人だって、夢を見る場所があってもいいと思う。

ベッドルームとアンティーク

インテリア雑誌やネットで見かけるモダンで洗練されたベッドルームも素敵だけれど、
新しくてキレイなものばかりで揃えた部屋は、なんとなく心が落ち着かない。

思い出深いもの、味わい深いもの、憧れていたもの
あの頃の夢の続きをみせてくれる「心地よい空間」が私は好きなのです。

だから夢を見る場所は、穏やかな温もりで満たしたい。

アンティークは過去と未来をつなぐ素敵なアイテムです。

心を満たしてくれる優しいアンティークをそばに置いて、
今日も優しい夜をお過ごしください。

5年後も10年後も、もっと先まで。

色褪せることなく、あなたとあなたの家族の毎日を素敵にしてくれる。そんなアンティークをビクトリアンクラフトはお届けします。

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